ヘルスケアという正解のない領域だからこそ、現状に満足せず課題意識を持てる人が向いている

人生100年時代を迎え、健康な体で暮らしていける「健康寿命」の重要性が高まっています。そうしたなか、早期から人々の健康をサポートするサービスを提供しているのが「DeNA ヘルスケア」です。今回は、エンジニアの近藤優輝さん、企画の滝ゆうりさんにお話を伺いました。

自分も成長しながら、市場や事業の成長を体験できる

―ヘルスケア事業について教えてください。

近藤
ヘルスケア事業本部では、シックケアからヘルスケアへと、人が健康でいられる期間を延伸することを目標にヘルスケアに注力しています。その中で僕たちが担当している「kencom(ケンコム)」は主に健康保険組合向けに提供するヘルスケアエンターテインメントアプリで、「楽しみながら、健康に。」をテーマとしています。ご利用者さまの健康診断結果をもとに一人ひとりにマッチした記事を配信したり、運動につながるイベントを催したりと、健康増進に貢献することを目指しています。

―お二人の入社時期と動機を教えてください。

近藤
僕は3年ほど前に中途入社しました。前職のSIer(システムインテグレーター)では受注した仕事に注力していましたが、もっと自分で価値を作り上げていきたいと思い転職しました。ヘルスケア事業を選んだ理由は、まだこの領域が未成熟だったので、Webエンジニアとして自分も成長しながら、市場や事業の成長を体験できるのではないかと思ったからです。


私は2018年に新卒採用で入社後、企画としてヘルスケアの部署で働いています。人は、健康な時にはあまり健康に関心を持ちませんが、健康を崩した時に真剣に考える傾向があります。また、結婚で家族が増えるなど、ライフステージの変化により、健康の捉え方がも変わっていきます。健康な時にこそ「健康への気づき」を与えることで、人の意識を変えて、行動を変え、その維持を促すことができるのが、いまの仕事のおもしろいところだと思います。

―DeNAを選ばれた理由は。

近藤
転職する前からDeNAの技術レベルは業界の中でも高いと思っていましたし、技術的に成長しつつ、社会的な課題の解決ができるところに惹かれました。


私も社会的な課題解決に取り組む点や、DeNAのミッションに共感したこと、さらに、キャリアパスが柔軟に選べることも選んだ理由の一つです。今後、仕事をするなかで、自分の考え、やりたいことが変わった時にも居場所が見つけられると思いました。

―ヘルスケア事業に取り組んでみていかがですか。また、事業の将来像をどう考えていますか。

近藤
DeNAヘルスケアでは、ゲームやスポーツで培ったノウハウを活用し「お客様が楽しみながら健康になれる」サービスを提供することで、社会の健康寿命の延伸を目指しています。

具体的には、サービスとR&Dの両輪で事業拡大を進めていますが、IT×ヘルスケア領域はまだ新しく、正解がないんですよね。その分、自分たちで正解を模索し、チャレンジできる点がおもしろいと思います。

―ヘルスケアを扱う競合他社と比べて強みはどこですか。

近藤
お客様が本当に健康になれるよう、エビデンスを重視している点です。たとえば「kencom」では、健康診断の結果や医療費のデータ、サービスの利用データを匿名化して紐付け、ユーザーの健康状況を分析しています。分析によってエビデンスを作り、サービスに反映させていく。これが僕らのサービスの強みだと思います。


ヘルスケア事業本部のなかには、サービスを作る部門の他に、R&D(研究開発)を行う部門があります。そこでは、実際に研究施設を自社で持ち、医師の資格を持つ人や生命科学の専門領域を学ばれた人もいます。内部でもしっかりと体制を持っているのはIT企業としては珍しいですし、強みだと思います。

企画と開発で日々一緒にディスカッション

―事業規模を拡大していくなかで、エンジニアの規模感を教えてください。

近藤
僕が所属しているDeSCヘルスケア(DeNAの子会社)では、エンジニアが約30人です。内訳はサーバサイドが20人程度、フロントエンドが3〜4人、残りがネイティブアプリです。チームは、「kencom」のグループ、健康プラットフォームを作っているグループ、僕たちがいる行動変容のサービスを作る新規アプリグループの3チームで構成されています。

―近藤さんはチームではどのような役割ですか。

近藤
今は、滝さんと同じチームで、プロダクトマネージャーとエンジニアを兼任しています。

―滝さんは企画側として、エンジニアとはどのような関わり方をしていますか。


基本的には、開発進捗の共有であったり、私から企画の進捗の共有を行っています。ただ、企画は企画、開発は開発と分かれているのではなく、企画をしているサービスは何を目指しているのか、どういったユーザーにどのような体験を提供するのか、上流の部分から日々一緒にディスカッションしています。

1つの会社だけど異なる事業フェイズの経験ができることが特長的

―エンジニアとして、どのような働き方、組織を作ろうとしていますか。

近藤
やはり「正解のない領域」のため、自分の考えを言えて、実行できることが重要だと思いますし、今後もそういう人が集まる組織になるといいと思います。

―いまの仕事で技術的なおもしろさはどこですか。

近藤
いまのプロジェクトでは技術選定を自分たちでしていて、GoやGAE 、Cloud Firestoreを使ったり、新しい技術を試したりしつつ新規の開発を進めています。業界的にも先端技術に触れていることが、個人的に楽しいですね。

全体でおもしろいと思う点は、3つあるエンジニアのチームが担当する事業フェイズがそれぞれ異なることです。
「kencom」を扱うチームは、従来の保守運用や大規模なデータを取り扱う難しさがあると思いますが、大きな挑戦を体験できます。クラウドの構築をしているチームでは、GoやGKEのような大規模プラットフォームのアーキテクチャーを考えるような経験ができます。僕たちのチームはGoやGAEを用いて、スモールなアプリをどんどん作っていく経験ができます。
既存の保守や新規機能開発、グロース移行、新規立ち上げといった形で、異なる事業フェーズの経験ができることは特徴的だと思います。

―DeNAだからこその良さはどこですか。

近藤
エンジニアたちが集まっているSlackのワークスペースがあったり、わからないことは他部署の有識者に話を聞けたり、CTOに直接質問できるなど、エンジニアコミュニティーの「場」があるのは大きいですね。他にもGoogle社やAmazon Web Services社とオフィスアワーを設けており、それぞれのエンジニアの方に直接質問できる時間もあります。
多くの事業を持つDeNAだからこそ、さまざまな専門家に話が聞ける点は大きなメリットです。

まずは自分が何をやりたいのか、それが事業にどう活かされるのかを重視

―お二人が将来どのようなキャリアを歩みたいのか、またキャリアパスについてどう考えていますか。

近藤
僕は、エンジニアやプロダクトマネージャーとして、自ら事業を考えて推進していけるようになりたいと思っています。自分が担当しているプログラミング以外の分野、例えばデータ分析など、事業成長に繋がっていくような技術やスキルを磨いていきたいです。

―それは入社前からのお考えですか、それとも入社後ですか。

近藤
入社する前はWebエンジニアとしても未熟だったので技術的に一人前になることしか考えていませんでした。いまでは少し視野も広がり、ただ作るだけではなく、最終的にサービスの価値に繋がることまでコミットしていけるようなエンジニアになっていきたいと、思考が変わってきました。

―どのようなきっかけで思考が変化したのでしょうか。

近藤
エンジニアにはサービスマインドが必要だと言われていますが、DeNAのエンジニアには必須となっています。そしてそのキャリアは、技術を極めていく人や、プロダクトマネージャー的な役割を担っていく人など、人それぞれです。多様なキャリアを知る中で、考えが変わっていきました。

まずは自分が何をやりたいのか、それが事業にどう活かされるのかを重視される文化があって、それらを考慮したキャリアパスを選択できるのがDeNAなのかと思っています。

―滝さんは、キャリアパスをどのようにお考えですか。


私はいま、アプリのプランナーの仕事をしていますが、仕様や企画を考えるうえでユーザーの体験はとても重要です。将来的には、UXデザイナー寄りの仕事ができるようになりたいと思っています。近藤さんも言っていましたが、何をやりたいか、どうなりたいか、というのを重視される社風で、「こういうことにトライしたい」「こういう経験を積みたい」と思った時に、別事業部や別チームとクロスジョブも可能なので、そう言った制度を利用して、アプリだけではなく、リアルイベントやBtoCのサービスにも活かせるようなUXデザイナーの知識や能力を身に付けたいですね。

社内でも勉強会が活発に実施されています。それこそ同じチームのエンジニアから、企画職でもエンジニアリングの知見があるといいモノづくりに繋がるとアドバイスを受けたこともあります。教えていただく機会もたくさんあり、感謝しています。

近藤
エンジニアがリードしていくことができるのは、社風なのかなと思います。DeNA Qualityという社員の行動指針があり、その一つに「発言責任」という言葉があるのですが、これは発言すること自体が重要という意味です。自分の考えていることを発言することで事業に貢献できたり、お客様により良いものを提供できたりすることに繋がる趣旨での「発言責任」です。この指針の通り、エンジニアも自分たちの考えを示していく人が多いですね。

―他にもこの指針仕事に影響を与えていることはありますか。

近藤
「ことに向かう 」という言葉があります。DeNAが考える「こと」とはお客様に価値を届けることです。例えば、エンジニアの僕としてはプロダクトをこんなふうにしたい、と伝えても、デザイナーから違う提案がされることがあります。こんなふうに、お互いの意見がぶつかることがあっても、「ことに向かう」という指針のもと、ユーザーに価値あるものを提供するための建設的な議論ができる。DeNA Qualityの影響は大きいです。

―最後に、DeNAが求めている人物像を教えてください。

近藤
ヘルスケア事業は「正解のない領域」なので、課題意識を持てる人や現状に満足せずに良くしていこうとする人が合っていると思います。DeNAはそういう動きができる環境です。例えば、サーバサイドのエンジニアがフロントの技術に興味があるならチャレンジもできます。自分の長所を持ちつつ、それ以外の周辺領域に対しても強みを伸ばしていける人と一緒に働きたいです。

―本日はお忙しいところ、ありがとうございました。